北欧生活研究所

2005年より北欧在住。北欧の生活・子育て・人間関係,デザイン諸々について考えています.

休息の取り方@デンマーク

現在、受け持っているクラスConcept Development with Industryという、企業と一緒に新しいサービスやプロダクトのコンセプトを考えるという授業には、デンマーク人60名ほどと、ジョージアテックの学生数名、日本人一人の交換留学生が履修している。 生徒の…

デンマーク国立公文書館が素敵な件

日本の国立公文書館は、かつての母校(中高)があるエリア千代田区にある。今まで行ったことがなかったし、あることも知らなかったというのが正直なところだ。母校(大学)の教授が公文書館の館長になったりしたこともあったみたいだけれども、知らなかった。公…

CoDesignチーム

video.itu.dk 社会にITや先端機器を導入するときに、実際の作成者の意図が伝わらなかったり、実際のニーズに沿わないことがある。そのような課題は、北欧でももちろん多々あって、そのギャップを埋めるために試みられてきていることが参加型デザインであった…

リビングラボの肝

北欧に移り住み、はや12年。はじめは、ストレスだった現地の習慣が、知らない間に自分の習慣になっていることに気づいて驚いた。自分では、日本の感覚を持ちつつ毎日の生活をしているつもりでも、改めて意識してみると、意外に「自分が変わっていること」に…

男性を子育てにコミットさせる方法

最近、「デンマークの家族」とその変容に関する英語・デンマーク語の文献を読み漁っていて、デンマークをはじめとした北欧の家族の変容に改めて驚かされている。60年代以前は、できちゃった婚がすごく多かった(社会的に結婚せずに出産するということが認めら…

デンマークのリビングラボ_2017

この10日間ほど、機会あり北欧の様々なリビングラボに関わる人たちや場や、北欧のリビングラボに関心のある研究者と話す機会があり、「デンマークのリビングラボ」について改めて考えていた。リビングラボは、実際の利用の場を実験の場にしてユーザや関係各…

デンマークの医療は本当に悪いのか?

待ちに待った病院でのようやくの検査(以前の記事:デンマーク医療にまたしてもやられた...ている、デンマークの病院のサービスの質についてなどなど)は2016年12月6日だった。その次の検査は、2月19日、そしてつい先日3月7日。さらに今後20日にはMRIの検査が…

私は、生き残れるか?

デンマークのDRという日本のNHKのようなチャンネルで、2ヶ月ぐらいかけて、Alene i vildmarken(荒野に一人っきり:超訳)という番組をやっていた。一種のリアリティチャンネルなんだけれども、設定がデンマークらしい。北ノルウェーの川べりに、お互いに見…

(社会)民主主義的グループワーク

今期も受け持つことになった「企業とのコンセプト開発」と名付けられた授業は、半分レクチャー、半分企業が出した課題解決を進めるグループワークで構成されている。本日は、グループワークの進捗報告第一回目だった。各グループと30分ほどのミーティング時…

カロリンスカがすごい

スウェーデン-ストックホルムにあるカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)は1810年設立の国立医科大学で、医学系の単科教育大学としては世界最大と言われる。こちらが教育機関である一方で、ストックホルムエリアの自治体の公立病院として、カロリンスカ…

女子だけのシークレットゲーム

娘(8)の行く学校のギュリュ先生より、2年生のクラス女子のみに向けた連絡が来た。「この金曜日から、イースターまでの約1.5ヶ月の間、クラスの女子だけを集めて、授業後の学童の時間にかけて、特別なゲームをやります。」そんな言葉で始まったメールには、「…

デンマークは汚かった?!

デンマークで子育てを始めた時、子供の体脂は産んでからしばらくそのままにしておく(軽く拭いたりはするけど)とか、乳幼児でも風呂は週に一回以上は入れるべきではないとか、日本との常識の違いに大いに驚いた記憶がある。その時は、風呂に子供が毎日入らな…

口頭試問、再び

9月に始まったデンマークの大学の冬学期は、12月末から1月中旬まで続いていたテスト週間を経て終了した。来週からは春学期が始まる。いつも以上に晴れ晴れとした気持ちで春学期を迎えることができるのは、この冬学期の「個人プロジェクト; IT for Parenting…

継承語と多言語多文化教育

(写真: デンマークの図書館。図書館は学習する場所、身体性を生かした学習も含まれる) どうやら日本語を「継承語(Heritage Language)として学ばせる」という動きが、世界各地に住む日本人の中で見られるようになっているらしい(正確には日本人だけではなくて…

家系学とクラウドソーシング

Genealogyという言葉をきいたことがあるだろうか。系図学とか系譜学とか訳されるようだが、「家族の家系を明らかにし家系図を作成する学問」とWikiには記載されている。先祖探しを紐解く鍵としては、家に伝わる古文書などがあればいいのだけれども、国勢調査…

拡張参加型デザインとリビングラボ

フィンランドのアールト大学で参加型デザインの研究をし、現在は、オウル大学に移っているヨハンナさんが「拡張参加型デザインExpanded Participatory Design」と題して研究発表をした。彼女が言っているExpanded Particpatory Designというのは、ITシステム…

IoTと倫理観

ITUの研究者が、CIIDほか2大学と共同で取得した3年間のHorizen 2020 EUプロジェクトVIRT-EU | ETHOS;Ethics and the internet of Thingsのキックオフイベントが実施されて参加してきた。

噂のアレを見てきた

周囲で噂になっているアレを、子供が寝た後に旦那と二人で見に行った。シリアスなファンが、コスプレして、何十時間も待ち行列をつくるアレだ。前回はコンピュータサイエンティストの旦那と字幕なしでアメリカで見た。全然わかんなかった。前々回は、昔の彼…

「熊と踊れ」と安心感の強奪

北欧ミステリーという分野があるようで、近年、なかなか興味深い作品が発表されている。私の能力では、デンマーク語やスウェーデン語でミステリー小説を読みたいという気にはなれないのだけれども、実際に読んで(日本語で)みると現在の北欧の社会問題が下地…

デンマークの郵便事情

年末年始に郵便を出そうと思ったら郵便ポストの投入口が施錠されていた。どうやら新年のお祭り騒ぎで郵便ポストが破壊されることがよくあったからということだけれども、クリスマス後から1月1日にかけて郵便ポストは使えず、配達物は郵便局に届けに行かない…

未来を創る人たち

北欧での社会解決のためのデザイン手法を語る際に外せないのが、王立デザインスクールのKADKチーム。EvaとThomas、そしてJoachimが率いるKADK研究グループは、デザインの切り口で社会課題に取り組み、新しい手法を提案し、社会に問いを与え続けている。共同…

謹賀新年2017

あけましておめでとうございます。 旧年中は大変お世話になりました、そして本年もどうぞよろしくお願いします。

子育てに悩んだら

デンマークの子育てについて、パネルディスカッションの登壇者として、大勢の前で話したことがあった。その時に、出会った小笠原舞(おがさわら まい)さんが友人と一緒に「いい親よりも大切なこと ~子どものために“しなくていいこと"こんなにあった! ~」を出…

コペンハーゲンで盗難にあう

北欧に住んではや12年。周囲の被害を折に触れ聞きながらも自分自身は一度も窃盗・すりにあったことがことがなかった。正確には、スリとお話ししたことはあるのだけれども(その話はまた別の機会に)、実際にカードや身の回りのものを無くしたことはなく、話を…

修復師という仕事

デンマークには修復師という仕事がある。デンマークに昔から残る絵画やお屋敷の壁や美術品、美術館に保存されている副葬品などの修復を一手に引き受ける。修復師になるには、高校卒業後修復師の学校(王立デザインスクールの一部門)で5年の教育課程を経る必…

音楽とコ・デザイン

時間があった時やドライブをしながらよく聞いている『荻上チキ・Session-22』で、音楽の市場が変化しているという話があった。 www.tbsradio.jp

コペンハーゲンの街並みはなぜ美しいか

コペンハーゲンの街を訪れた人は、口を揃えて街のハーモニックな景観やデザイン性に富んだ町並みを高く評価する。確かに、デンマークの街並みは、デザインの配慮が行き届いているし、一貫制があり、美しい。 コペンハーゲン市の役人が言っていたことで、開眼…

子供は実験素材ではない

デンマークは課題先進国とよく言われる。様々な社会的実験が行われているし、新しい試みも次々とみられる。アジャイルは、デンマークのお家芸とでも言えるだろう。 子供に関する先進的取り組みも多々みられる。デンマークにおいて養子はもはやタブーではなく…

シークレットミッション

ここ一年ぐらい、日本からのメールがパワーアップしている。そう、添付ファイルの件だ。まるで、シークレットミッションか何かであるかの様に、添付ファイル付きのメールにはパスワードがかけられ、別送メールでパスワードが送付される。単なる雑誌用の原稿…

洗濯物たたみは運動であるのか

現在REACHプロジェクトの調査の一環で、センサーやモチベーションテクノロジーについて、過去論文を読み漁ってる。ほぼ知らない分野だったので新しい発見がたくさんあって面白いのだけれども、2012年頃のもう古い論文を読んでいて、ハッと気づかされたことが…